こんにちは!二度目の登場、Yugoと共にサイト運営に携わらせていただいているRyuです!(私について詳しくはこちら)
IBでは私も生物でEEを書き、最終的に29点を取ってAという評価を得ることができました。
そこで今回はExtended EssayでAを取るためのアドバイスをお伝えしたいと思います。
私のEEの概要
ではまず私がどのようなトピックについてEEを書いたかについてですが、
「異なる濃度(0, 20, 40, 60, 80, 100mmol/L)の カフェイン(1,3,7-トリメチルキサンチン)水溶液を用いて ハツカダイコン(Raphanus sativus var. Sativus)種子を育てることで、 それぞれの種子の発芽にどのような違いが見られるのか。」
というリサーチクエスチョンを立てて実験を行い、EEを書きました。
簡潔に言うと、植物の発芽にカフェインがどのように影響するかについてです。
カフェイン水溶液の濃度を変数とし、20mmol/L、40mmol/L、60mmol/L、80mmol/L、100mmol/Lと段階的に濃度を変え、それぞれの濃度で発芽率がコントロール(0mmol/L)の発芽率とどのように異なるのか実験しました。
それぞれのサンプルの発芽率から平均値や標準偏差、誤差、加えて95%信頼区間やらT検定のp値の計算、グラフ化やら統計処理を経て、カフェイン水溶液の濃度とハツカダイコン種子の発芽に関係があることを示し、結果としてカフェインが発芽を抑制する効果があるのではないかと結論づけました。
私のEEの詳細を知りたい人は下記のリンクから読んでみてください!
https://iblog-42.com/wp-content/uploads/2023/06/EE.pdf
Aを取るためのアドバイス
リサーチクエスチョンに対してアカデミックにアプローチする
私の立てたリサーチクエスチョン自体はあまり難しすぎるものでもないですし、ユニークだというわけでもありません。
発芽に関する実験を行うだけならば中学生、いや小学生にとってもあまり難しくはないと思います。
しかし、Extended Essayでより求められるのはそのリサーチクエスチョンに対してどうアカデミックに取り組むか、どのような手法でアプローチするかという点です。
例えば、トピックに対する深い理解、適切な方法論、正当化、統計処理、論理的な分析、振り返り、効果的なエッセイの書き方など、実際の研究の場で必要とされるようなアプローチが求められます。
Focus and Method・Knowledge and Understanding・Critical Thinking・Presentationなどの評価基準からもそういったことは読み取れます。
EEに取り組む際にはアカデミックかつ効果的な手法でアプローチし、詳しい分析を示すことを意識しましょう!
独創性にこだわりすぎない
一方で、Personal Engagementのことを考えすぎてリサーチクエスチョンをとてもユニークなものにしたり、馴染みがなく複雑すぎるものにしてしまったりすると、理解が浅くなってしまったり適切なアプローチができなかったりする可能性があります。
(かなり高いモチベーションや興味があれば話は別です)
私たちが持っている知識や時間、実験の規模、実験器具は限られているので、その限られた手札の中で、適切にExtended Essayという課題を攻略できるよう考えることも重要です。
私もはじめは発芽を対象にEEを書こうとは思っていませんでした。
元々は植物の成長度合を対象に実験しようと考えていたのですが、実験の難易度や成長度合の計測の問題、実験期間の長さなどの理由があり、複雑すぎず短い期間で実験可能な発芽に焦点を当てて実験することとなりました。
ただその分、他の面のクオリティを挙げたことで高得点を取ることができました。
リサーチクエスチョンをあまり複雑でないものにし、その分より適した実験方法を考えたり、分析・説明・正当化を深く丁寧に行うというのも一つの手ですね。
適切なアプローチと正当化
どのようにすればリサーチクエスチョンに対して、説得力がある正確な答えを出すことができるのか…。
まず、適切なアプローチを選択することが重要となってきます。
つまりは、実験方法、制御変数、統計処理の種類の選択や誤差の計算などです。
(難しかったり馴染みのない実験を行う際はこの時点から難易度が高い…)
加えて、選択したアプローチに対する正当化が必要となります。
なぜその方法にしたのか・なぜそう考えるのかに対して、できる限り徹底的に、かつ丁寧に細かく補足説明や正当化を行いましょう。
それによってエッセイの説得力が増します。正当化ができる部分はできる限り正当化するのが重要です。
例えば私のエッセイでいうと、
・水溶液が蒸発する可能性があったり、昼夜の気温の変化で発芽が安定する(参考文献はもちろん必要)ため恒温機は使わずに暗所で育てたり
・コントロールとそれぞれの変数の間に明確な有意差があるか判断するためにT検定を行ったり
・数値の信頼性を判断するために誤差や95%信頼区間を計算したり
・(正当性は明記していなかったですが)正確性を高めるために種子の数やサンプル数をできる限り多くしたり
などです。
適切なアプローチを選択し正当化を行うことによってFocus and Method・Knowledge and Understandingといった部分で点を得ることができます。
そのアプローチを選択した理由をしっかりと示すように意識しましょう。
点数の高いエッセイを分析して、構成や書き方について勉強する
もしEEの構成や書き方が分からなくなれば、他の高得点のEEを参考にすることでどのように書けばよいのか勉強するのも一つの手です。
自分もEEを書き始めた時は正直どういう流れでどういうことを書けばよいのかわかりませんでした。
そこで、インターネット(clastifyなど)にあるものや先輩のIA・EEを参考にしながら、EEの構成や文章の展開の仕方、それぞれのチャプターの内容、リサーチクエスチョンの作り方、データの示し方、参考文献の数など勉強させてもらいました。
EEをどのように書き進めるべきか迷った際は他人のEEを見て参考にしてみてもよいと思います!
最後に
EEってほんと難しい…
私も予備実験を何度か失敗したり、「この実験方法ではうまくいかないな」と思って試行錯誤したり、リサーチクエスチョンを調整したりしました。
EEで苦しめられている生徒も多いかと思いますが、この記事が少しでも役に立ってくれれば嬉しいです!