前回の記事ではIB数学の勉強範囲や難易度などを説明しました。
【国際バカロレア/IB】IBのMath(数学)では何を学ぶの?レベルと難易度は?
今回はそのIB数学において最高評価である7を獲得するために重要なコツを説明していきます。
Paper1とPaper2は問題の形式が似ているため、今回はPaper1・Paper2におけるコツとPaper3におけるコツの二つに分けて説明します。
ちなみに筆者は、2022年の11月試験のMath AA HL全体で7を取っただけでなく、paper1・ paper2・ paper3それぞれ全てで7を獲得しました。
Paper1・2におけるコツ
概念の理解に重きを置く
数学の勉強において他の多くの生徒が問題を解くことに多くの時間を割いていた一方、私はIB数学での学習全体を通して、常に概念の理解を優先していました。
そのため新しい概念を授業で習うとすぐに宿題の問題を解き始めるのではなく、まず授業で習ったことを見返し自分が完全に理解できたかを確認するようにしました。
例えば、私はノートに自分で概念を説明したり、独り言で口に出して概念を説明していました。
そしてもし分からないことが少しでもあれば自分が気が済むまで先生のところに質問しにいっていました。
やはり数学では「問題を解く」ということがゴールになっているため、問題を解く際に武器になる数学的概念は完全に理解し、自由自在に操れるようになる必要があります。
自分の思考を説明しながら問題を解く
次のコツは1つ目のものとかなり類似しています。
私は数学の問題を解く中で毎回、その考えに至ったプロセスや根拠を回答の端に小さく書いたり口頭で独り言として説明していました。
数学の問題を解く際、多くの生徒が自分がなぜその方法で問題を解けるかを意識せず概念の本質の理解が曖昧なままになっていることが多いです。
それでは一部の典型的な問題が解けたとしても問題の形が変わった途端問題が解けなくなることが多いです。
数学で7を取るには典型的な問題に加えて、自分が過去に解いたことのないトリッキーな問題に対しての解き方を考案する力が必要になります。
そのため概念の本質が理解できていることが大事であり、問題を解く中で自分の論理や思考を明確にしていくことが重要です。
過去問を解きまくる
やはり、試験対策をする上では過去問を解くことが非常に効果的でした。
私は過去に学習した概念全てを深く理解したのちに最終の仕上げとして過去問に取り掛かりました。そのため、最終試験が始まる一ヶ月前ほどから私は過去問を集中的に解き始めました。
特にpaper 1・paper 2では過去に出た問題と類似した問題が出ることも多いため、より多くの問題を解くことが結果に直結するといえるでしょう。
しかしがむしゃらに問題を解いて終わるのではなく、毎回振り返りをすることでより効率よく学習できます。
私は過去問を解き終わり丸つけをしたのち、振り返りを通して間違った問題の原因や苦手分野を見つけ克服することで、次に過去問を解く際に一点でも高い点を取れるようにしていました。
Paper3におけるコツ
過去問・類似問題を解く
Paper 3に関しても過去問やPaper3スタイルの問題を解くことが対策においてとても重要でした。
というのも、Paper3の問題はかなり特殊であるためまず問題の形式に慣れていないと高得点は望めないためです。
Paper1・Paper2とは異なり、Paper3の過去問では問題自体の解き方や出てきた概念に焦点を当てるのではなく、試験の流れに慣れることを意識していました。
常に時間を測って問題を解く
Paper3の大きな特徴として試験時間が少なすぎることが挙げられます。
私自身、過去問を解いていてもPaper1・Paper2では問題を解き終わり見直しをする余裕がありましたが、Paper3ではほとんどの場合時間が足りず全ての問題を解き終えることができませんでした。
そのため時間を測り本番さながらに解き、解くスピードを上げていくことが重要です。
また時間を測ることを通して、どの問題にどれだけの時間をかけるべきかも認識することができます。
間違った原因を徹底的に分析する
Paper3はPaper1や2とは違い問題の形式が特殊であるため、がむしゃらに過去問を解くだけでは点数が伸びづらいです。
そのため過去問を解いたら、常に振り返りを行い失敗から学び次に生かすことを意識していました。
例えば私の場合、時間が足りなかった際は、ある点数の問題は特定の時間以上考えない(例:4点の問題は5分など)といった対策を考えたりしました。
また問題の途中で問題が何をいっているのか分からなくなったりした時には、次回以降問題のそれぞれのステップの意味を解釈して確認するように意識するといった対策を立てたりしました。
やはりどの数学の試験においても問題を解くだけで終わらないことが非常に重要です。
私が使った教材のなかで特に役に立ったもの
次に自分が数学で7を取る上で特に役に立った教材3つを紹介していきたいと思います(過去問は言うまでもないので省略します)。
Haese Mathematicsの教科書二冊
試験対策に入る前まで(全分野の学習が終わるまで)は基本的に教科書を中心に学習をしていました。
この教科書の問題は試験の問題の形式とは異なりますが、習った概念のアウトプットをし数学的な思考力、知識をつけるのに非常に役に立ちました。
特に難易度が低いものから高いものまで問題まで含まれているため、徐々にレベルを上げて問題を解いていけたため取り組みやすかったです。
Revision Village
試験対策の期間にはRevision Villageというサイトも頻繁に使用していました。
このサイトは、分野別の試験スタイルの問題がまとめられていて丁寧な解説もあるため非常に便利でした。
このサイトの問題を通して、より実践に近い練習ができました。
しかし過去問の数字だけを変えた問題などもあるため、自分がすぐに解けると思う問題に取り組むのではなく、自分が見たこともなく解き方がすぐに思い浮かばない問題に取り組むことを意識することが重要です。
Cambridge出版のIB Math HL Exam Preparation Guide
これは旧カリキュラムの対策ガイドですが、試験範囲がほとんど同じであるため(微分方程式などの分野は載っていない)十分役に立ちました。
200ページと非常に薄いため取り組みやすく、問題形式も試験のものと似ておりGoing for the topという7を目指す人が解くべき問題のセクションもあり完成度を上げていくのに有用でした。