IBでは最終試験における外部評価に加えて、内部評価も科目の点数に反映されます。
数学の内部評価では、自分が関心を持っている数学の分野に関して探求を行い、それに関するエッセイを書きます。
20点満点で以下の項目に分けて採点されます。評価項目の詳細に関してはIBの公式のシラバスを読んでください。
Criterion A | Communication | Out of 4 |
Criterion B | Mathematical presentation | Out of 4 |
Criterion C | Personal engagement | Out of 3 |
Criterion D | Reflection | Out of 3 |
Criterion E | Use of mathematics | Out of 6 |
私はMath HLのIAで最終的には17点を取り、これは7段階中では7に相当します。
今回はそんな私のIAの概要と7をとるためのコツを3つに分けて解説していきます。
私のIAの概要
まず私のテーマは ”Modelling Seed Germination” で、カイワレ大根という植物の発芽数の時間の経過に伴う変化を表す数理モデルを構築するというものでした。
ちなみに数理モデルというのは現実の現象を数式化したものです。
これは、生物の内部評価でカイワレ大根の生長に関して実験を行なっていたことがインスピレーションとなりました。
IAでは実際にカイワレ大根100個を発芽させデータを取り、そのデータを最も正確に表す数式を作り出しました。
実際には指数関数、arctan(x)、ロジスティック関数の三種類の数式を評価し、その結果として以下のロジスティック関数が最適モデルだという結論に至りました。
またその後振り返りとして、その三つの中でロジスティック関数が適していた理由に関しても分析しました。
私のIAのリンクを載せておくので、詳細を知りたい方は実際に読んでみてください。
https://iblog-42.com/wp-content/uploads/2023/05/IBDP-Mathematics-IA.pdf
7をとるためのコツ
ユニークなテーマを選ぶ
まず最初のステップであるテーマ選択に関してですが、7を取りたければユニークなテーマを選ぶことが重要です。
これは、選んだテーマがユニークなものであれば、5つのcriteriaうちのpersonal engagement, reflection, use of mathematicsの3つで高得点が狙えるからです。
1つ目のpersonal engagementで高得点を取るには探求の中でクリエイティブ・ユニークに生徒が考えていたりする必要があります。
Reflectionでは洞察のある振り返りをする必要があり、誰もやっていないテーマでは自分自身で気づいたオリジナルの発見を示せるため洞察力があると評価されやすいです。
そしてユニークなテーマで探求をすることで自分自身で考えを深めることができ、結果としてより複雑で多様な数学のアイデアを使うことになりuse of mathematicsでも高得点が狙えます。
常に疑問を問いかける
実際に探求を始めて苦労するのは、内容を分析的なものにすることでしょう。
初めは私も苦労しましたが、常に疑問を問いかけることにより内容を広げ多くの数学的考察を含ませ、洞察に満ちたものにすることができました。
私はまず探求中に出てきた疑問をメモなどしておき、その後深掘りできるものを選びました。
例えば数理モデルを作った後には、arctan(x)とロジスティック関数は形としては似ているがなぜロジスティック関数がデータをより正確に表現できたかが気になり、それぞれの関数を微分し導関数のグラフを視覚化しました。
そしてそれぞれのどの特徴がデータを数学的に表現する上でプラスになっているのか、マイナスになっているのかを分析しました。
また他にも疑問に思ったが今回の探求ではカバーしきれないものは、エッセイの最後の “Evaluation and extensions” に書くことでreflectionの項目でも高得点を狙えます。
先生からのアドバイスを活用しまくる
私が数学のIAで困ったことは、数学における探求をした経験が学校生活でなかったためどのようなものが理想なのかがわからなかったことです。
数学を教えている先生は過去にいくつものIAの評価をみてるはずなので、数学の先生のアドバイスを受けて高く評価されるIAのイメージがより明確になりました。
また、criteriaのcommunicationとmathematical presentationの2つに関しては主にエッセイの中での見やすさや読みやすさ、数学の表現の仕方が適切かなので、先生のアドバイスを踏まえて徹底的に直すことで、簡単に得点を上げることができます。
これらの評価項目は第三者に読んでもらわないと改善しづらいため、先生からアドバイスを受ける機会を利用しましょう。