こんにちは!Yugoと一緒にIBLOGの運営をさせていただいてるRyuです!(私について詳しくはこちら)
IB(国際バカロレア)の必修項目の一つであるTOKですが、その内部評価であるTOK展示では実際にどういったことをするのでしょうか?
そこで今回は、TOK展示での私の体験についてお伝えしたいと思います!
簡単なTOKの説明
ではまず始めにTOKについて簡単に説明したいと思います。
TOK(知の理論)とはTheory Of Knowledgeの略で、ひとことで言うと知識とはなんなのかを探求する教科です。
例えば、
・どのようなものが知識と見なされるのか。
・どうすれば知識を得ることができるのか。
・知識にはどのような特質があるか。
といったことを学びます。
A~E の5段階で評価された上でTOKとEEの点数が合算され、3点満点で最終スコアへと加算されます。
TOK・EEの評価次第では、それだけでIB Diplomaを取得できなくなる可能性があるため、私を含めたIB生たちはかなり力を入れてました。
しかし、どれだけ力を入れても最終スコアには最大3点しか加算されないという点が厄介です…。
TOK・EEに力を入れすぎて他の6教科の点数が低くなりIB Diplomaを取得できなくなるという可能性もあるため、他の教科とのバランスが重要となります。
TOK展示での取り組み
TOK展示では35個のIAプロンプトから1つを選んだ上で、そのプロンプトに答えるための事物を3つ選択し、それらの事物を用いりながら実社会での知識の特質などを分析していきます。
そのプロンプトの例:
・新しい知識がすでに確立した価値観や信念を変化させることはあるのか。
・知識、信念、意見の3つを私たちはどのように区別できるか。
・現在の知識は、知識の歴史的発展によってどのように形づくられているか。
私の学校では1年目の冬あたりにTOK展示の準備を始めました。スケジュールなどはやはり学校によって異なるようです。
①プロンプトを選択
自分は「知識の追究に際し、どのような制約が存在するのか(What constraints are there on the pursue of knowledge?)」というプロンプトを選択しました。
始めのうちは他のプロンプトと迷っていました。ですが、まずどちらのプロンプトも少しだけ進めてみてどちらのプロンプトの方がうまく分析することができるのか判断した後に、プロンプトを選択しました。
プロンプト35個も選択肢があるのでプロンプトを選ぶだけも大変です。
②キーワードを定義
プロンプトを選択した後は、まずはその中のキーワードを定義します。
私が選択した問いでは、知識の追求を知ること・知る過程とし、制約を妨げと定義しました。
その語句にどういうイメージがあるのかと考えたうえで取り組むと定義しやすいです。例えば「知識の追求」といえば研究などのイメージがあり、そのイメージを簡単に表現する形で定義する、という感じです。その際に類義語を調べり、英語の原文を参考にすると助けになります。
明確に定義することで採点者との共通理解を築くことができますし、プロンプトの理解にも繋がるのでとても大切です。
③主張を定めていく
その後、プロンプトについて分析したり友達や先生と少し議論し、プロンプトに対する自分の意見を少しずつ築いていきます。
私のケースでいうと、技術的な制約・倫理的な制約・金銭的な制約・政治的な圧力・法律・身体的な制約など、具体的な深い分析ではないものの、どういった答えが考えられるかというのを書き出していきました。
最終的には身体的な制約・技術的な制約・倫理的な制約に絞り込みました。
他者と話し合いながら考えることで、自分になかった視点や意見を取り入れることができます。
④事物を探す
そして次に事物を探します。
事物のリサーチにはけっこう時間を使った気がします。プロンプトに合った事物を探すのにも時間がかかりますし、その事物について深く知るための時間も必要です。
最終的に私は、ロバート・フックの描いたコルクの細胞の図・コラ半島超深度掘削坑・ゲノム編集された双子の誕生を発表した賀氏の写真を倫理的な制約の事物として選択しました。
事物1の画像(ロバート・フックの描いたコルクの細胞の図)
事物2の画像(コラ半島超深度掘削坑)
事物3の画像(賀氏の写真)
最終的にこれらの事物を使うことを決めましたが、途中で何回も事物は変えました。自分の構想にその事物が合わないな、この事物の方が合ってるな、と思った場合は積極的に考慮してみましょう。
確かに、これまで考えてきた構想がもったいないと感じてしまうかもしれないですが、より適切で深い分析ができるのならばそちらの方が重要です。
⑤構成を考えて、文章化する
そしてその後は、構成を考えて文章化していきます。
私のTOK展示の流れはこのような感じです。まず身体的な制約について書き、それらの制約は技術によって乗り越えることができるけれども、技術にも同様に限界がありその限界は制約となることを述べ、また倫理的な理由によっても研究が妨げられる、という流れで書きました。
最終的にこのような構成・事物に決めましたが、先生や友達と議論している間に、書いているうち、論理の欠陥に気づいたりして構成や事物を変えるというのもよくありました。
確かに途中で構成や事物を変えると大変ではありますが、そのような批判的な視点は自身のTOK展示を改善していく上で重要となるので大事にしていきましょう。
より詳しく私のTOK展示について知りたい方は下のリンクから読んでください!最終的にはTOK展示でBという評価を得ることができました。
これから取り組む人へのアドバイス
IBの中で特に難しい科目の1つであると言っても過言ではないほど、TOKは難しいです。
そこで、先生や友達との関わりはとても大切となります。
他人の視点や意見を聞くことによって、TOK展示・TOKエッセイにて多角的・批判的な分析をすることができるため、積極的に議論していきましょう!